このたび、私は特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会が認定する「住宅リースバック適正取引主任者」の資格を取得いたしました。
当社では、大阪を中心に関西エリアでリースバックのご相談をお受けしており、これまで住宅ローンの返済、税金の滞納、老後の生活資金、相続など、さまざまな事情を抱えたお客様の不動産売却に携わってきました。
今回の資格取得は、そうした実務経験に加えて、リースバック特有の契約や法律、消費者保護についての知識を改めて確認し、より適切なご提案につなげるためのものです。
リースバックは、自宅を売却した後も住み慣れた家で生活を続けられる仕組みです。
一方で、一般的な不動産売却とは異なり、売却価格だけではなく、その後の家賃や契約期間、将来の買戻し条件なども考える必要があります。
今回は、資格取得の報告とあわせて、リースバックを検討されている方に知っていただきたい注意点や、不動産会社を選ぶ際のポイントについてお話しします。
住宅リースバック適正取引主任者とは?
住宅リースバック適正取引主任者は、特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会が認定する、住宅リースバック取引に関する民間資格です。
リースバックに関係する不動産売買、建物賃貸借、借地借家法などの法律や、契約上の注意点、消費者保護について専門的に学ぶ資格です。
なお、宅地建物取引士のような国家資格ではなく、リースバック取引を行うために法律上必ず取得しなければならない資格でもありません。
しかし、リースバックには一般的な不動産売買だけでは対応しきれない部分があります。
売買契約が成立して終わりではなく、その後はお客様と買主との間で賃貸借関係が続きます。
例えば、売却価格が希望どおりでも、毎月の家賃が高すぎれば、数年後に生活が苦しくなるかもしれません。
反対に、家賃を安く抑えられても、希望する期間まで住み続けられない契約であれば、リースバックを利用した意味がなくなってしまいます。
そのため、売買と賃貸借の両方を理解し、契約全体を確認することが大切です。
当社でも、単に査定価格を提示するだけでなく、売却後の生活を見据えた条件設定を心がけています。
リースバックは安心できる?実際に注意喚起されているトラブル
リースバックを検討する際、インターネットで「リースバック 危険」「リースバック トラブル」「リースバック 後悔」といった言葉を目にして、不安を感じる方もいらっしゃると思います。
実際、国民生活センターは2025年5月、住宅リースバックの強引な勧誘や契約後の家賃負担などについて注意喚起を行っています。
相談事例として紹介されているのは、長時間の勧誘を受けて契約してしまったケースや、売却後に家賃が上がり、支払いが難しくなったケースなどです。
リースバック自体が危険というわけではありません。
ただし、契約内容を十分に理解しないまま進めてしまうと、取り返しのつかない問題になる可能性があります。
特に、自宅は多くの方にとって大切な財産です。
一度売却すると、自分の所有物ではなくなります。一般的な不動産会社への売却では、訪問販売のようなクーリング・オフが当然に使えるわけでもありません。
だからこそ、契約前に十分な説明を受け、納得してから判断していただくことが必要だと考えています。
安心してリースバックを利用するために確認したい5つのポイント
1.売却価格だけでなく、毎月の家賃を確認する
リースバックの査定では、できるだけ高く売却したいと考えるのが自然です。
しかし、売却価格を高く設定すると、それに伴って家賃も高くなる場合があります。
例えば、売却価格1,000万円、月額家賃10万円という条件であれば、年間の家賃は120万円です。
5年間住み続ければ、家賃の支払総額は600万円になります。
もちろん、売却代金を受け取れることや、所有者としての固定資産税負担がなくなることなども考慮する必要があります。
それでも、売却後の家賃を何年間支払えるのかは、必ず確認しておきたいところです。
当社では、買取価格と家賃のバランスを重視し、お客様のご事情に合わせて条件を検討しています。
2.普通借家契約か、定期借家契約か
リースバックでは、売却後に賃貸借契約を締結します。
このとき、特に確認していただきたいのが契約の種類です。
普通借家契約は、契約期間が満了しても、貸主側に正当事由がなければ原則として更新を拒絶できない仕組みです。
一方、定期借家契約は、契約期間が満了すると原則として終了し、引き続き住むためには再契約が必要になります。
「売却後もずっと住めると思っていたのに、数年後に退去することになった」という問題を避けるためにも、この違いは重要です。
ヤマトハウステックでは、長く住み続けたいというご希望に対応するため、普通借家契約を中心にご提案しています。
ただし、普通借家契約だから家賃が一切変わらない、あるいはどのような場合でも永久に住み続けられるという意味ではありません。
契約内容や法律上の条件について、事前に確認していただくことが大切です。
3.売却後の所有者が誰になるのか
リースバックでは、売却後の所有者が誰になるかも確認しておきたいポイントです。
不動産会社が自社で買い取って保有する場合もあれば、投資家などの第三者が購入する場合もあります。
所有者が変われば、将来の管理方針や連絡先などに影響することも考えられます。
当社では、自社買取の案件については、多くの場合当社で保有し、転売を前提としない運用を行っています。
もちろん、将来にわたり所有者が絶対に変わらないと保証するものではありません。
大切なのは、契約時点で誰が買主となり、売却後は誰と賃貸借契約を結ぶのか、管理や修繕の窓口はどこになるのかを明確にしておくことです。
4.買戻しを希望する場合は条件を書面で確認する
「今は資金が必要だけれど、将来は自宅を買い戻したい」
このようなご相談もあります。
リースバックでは、買戻しに関する条件を設けることがありますが、すべての契約で買戻しが保証されるわけではありません。
買戻しを希望する場合には、価格、期限、権利の内容、手続きなどを契約前に確認する必要があります。
例えば、1,000万円で売却した住宅を、将来同じ1,000万円で買い戻せるとは限りません。
買戻し価格があらかじめ決められているのか、その時点で協議するのかによっても条件は異なります。
当社では、買戻しを希望される場合、実現可能性も含めて個別に条件を検討しています。
5.修繕費や退去時の負担を確認する
売却後は所有者ではなく借主になります。
そのため、建物の修繕についても、これまでと同じようにすべて自己負担になるとは限りません。
ただし、修繕費用の負担区分は契約内容や修繕の原因などによって異なります。
雨漏りや給排水設備の故障、エアコンなどの設備不良、退去時の原状回復について、どこまでが貸主負担で、どこからが借主負担になるのか。
特に築年数の古い住宅では、契約前に確認しておくことをおすすめします。
実際のリースバック取引で感じること
当社にご相談いただく理由は、お客様によって本当にさまざまです。
住宅ローンの返済を整理したい方もいれば、老後の生活資金を確保したい方、相続を見据えて不動産を現金化したい方もいらっしゃいます。
最近では、税金の滞納によって自宅に差押登記がされているお客様のリースバック決済にも携わりました。
この案件では、税務署と市役所の担当者も決済に立ち会い、売却代金から滞納税金を支払う手続きを進めました。
こうした取引では、売却価格や家賃の条件だけでなく、差押えの解除、債権者との調整、決済当日の資金の流れなど、確認すべき事項が多くあります。
何より大切なのは、売却によって目の前の問題を解決するだけでなく、その後の生活を続けられるかどうかです。
リースバックが適している方もいれば、一般売却やほかの方法を検討した方がよい方もいらっしゃいます。
私たちは、リースバックの契約を成立させることだけが目的ではないと考えています。
お客様のご希望を伺い、できることと難しいことを整理したうえで、納得できる判断をしていただくことが重要です。
大阪・関西でリースバックをご検討の方へ
株式会社ヤマトハウステックは、大阪市住吉区を拠点に、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県など、関西エリアの不動産売却・リースバックのご相談に対応しています。
当社では、リースバックの自社買取に加え、条件に応じた仲介での売却にも対応しています。
自社買取が適している場合もあれば、第三者の購入希望者を探した方が、ご希望に近い売却価格を実現できる可能性もあります。
また、すぐに売却するのではなく、まずは査定を行い、現在の不動産価値や今後の選択肢を把握することも大切です。
「できるだけ高く売りたい」
「家賃を抑えて長く住み続けたい」
「住宅ローンや税金の支払いを整理したい」
「将来、買戻しを検討したい」
こうしたご希望は、必ずしもすべて同時に実現できるとは限りません。
だからこそ、お客様にとって何を優先するべきか、一緒に考えていきたいと思っています。
資格取得を、日々の実務に生かしていきます
今回、住宅リースバック適正取引主任者の資格を取得しましたが、資格を持っているだけで、お客様に安心していただけるとは考えていません。
実際の取引では、物件ごとに条件が異なり、お客様が抱えている事情も異なります。
契約書の内容を十分に確認すること。
売却価格だけでなく、家賃や将来の負担も説明すること。
メリットだけでなく、デメリットもお伝えすること。
そして、契約後もご相談いただける関係を築くこと。
こうした一つひとつの対応を積み重ねることが、信頼につながると考えています。
今後も、実務経験と専門知識の両方を大切にしながら、安心してご相談いただける不動産会社を目指してまいります。
大阪・関西でリースバックをご検討の際は、株式会社ヤマトハウステックまでお気軽にご相談ください。

株式会社ヤマトハウステック
執筆者:山本雄二
住宅リースバック適正取引主任者/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/古民家鑑定士一級/第二種電気工事士/給水装置工事主任技術者/FP2級(AFP)など
参考サイト
リースバック専門サイト:https://leaseback.housetech.jp/
国民生活センターの注意喚起
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250521_1.html
国土交通省のガイドブック
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000174.html
