リースバックの諸費用はいくらかかる?売却後の「手残り」を左右する費用内訳を実務目線で解説

リースバックを検討される方が最も気にされるポイントの一つが、「結局、手元にいくら残るのか」という点です。

リースバックでは、自宅を売却してまとまった資金を受け取り、その後も賃貸として住み続けることができます。しかし、売買価格がそのまま手元に残るわけではありません。売買契約と同時に賃貸借契約を結ぶため、通常の不動産売却とは異なる費用や清算項目が発生します。

特に注意したいのは、査定額だけを見て判断してしまうことです。たとえば「1,500万円で買い取ります」と言われても、そこから前家賃、保証会社の保証料、印紙代、司法書士費用、住宅ローンの残債返済などを差し引いた金額が、実際の手残りになります。

この記事では、リースバックを利用する際に発生しやすい諸費用について、実務に近い形でわかりやすく解説します。

リースバックは「売買契約」と「賃貸借契約」が同時に進む

リースバックの特徴は、不動産の売却と、その後の賃貸契約がセットになる点です。

通常の不動産売却であれば、売主は物件を引き渡して退去します。一方、リースバックでは売却後も同じ家に住み続けるため、買主が新しい所有者となり、売主は賃借人として家賃を支払っていく形になります。

そのため、決済時には大きく分けて次のような清算が行われます。

売買代金の受け取り、住宅ローン残債の返済、抵当権抹消費用、売買契約書の印紙代、固定資産税・都市計画税の日割り清算、前家賃、賃貸保証会社の保証料などです。

ここを理解しておかないと、「思っていたより手元に残る金額が少なかった」ということになりかねません。

リースバックで発生しやすい主な諸費用

まず、一般的に発生しやすい費用を整理します。

1. 売買契約書の印紙税

不動産売買契約書には、売買金額に応じた印紙税がかかります。不動産の譲渡に関する契約書については、令和9年3月31日まで軽減措置の対象とされており、1,000万円超5,000万円以下の契約では印紙税は1万円です。

たとえば、売買価格が1,500万円の場合、不動産売買契約書に貼付する印紙は1万円です。契約書を売主・買主それぞれが1通ずつ保有する場合、それぞれが自分の契約書に印紙を貼る形が一般的です。実務上は、売主側1万円、買主側1万円という形になることが多いです。

2. 抵当権抹消に関する費用

住宅ローンが残っている場合、売買代金でローンを完済し、金融機関の抵当権を抹消する必要があります。

抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。土地1筆・建物1個であれば、登録免許税は合計2,000円です。

ただし、実際には司法書士に手続きを依頼するため、登録免許税だけでなく、司法書士報酬、登記原因証明情報作成、事前調査、完了後の謄本取得、金融機関との書類確認などの費用がかかります。

一般的には、抵当権抹消や住所変更登記、調査費用などを含めて、5万円から8万円程度になるケースが多いです。ただし、抵当権の本数が多い、住所変更が必要、相続登記が未了、金融機関が複数ある、といった場合は費用が増えることがあります。

3. 前家賃

リースバックでは、売却後すぐに賃貸借契約が始まります。そのため、決済時に前家賃を清算することが一般的です。

賃貸借契約では、当月分または翌月分の家賃を前払いする形が多いため、決済日によっては、日割り家賃に加えて翌月分の家賃を支払う場合があります。

たとえば、家賃が月8万円の場合、決済日が月末に近ければ、当月の日割り家賃は少なくなりますが、翌月分家賃8万円が必要になることがあります。決済日が月初であれば、当月分のほぼ1か月分に近い家賃が発生することもあります。

目安としては、家賃1か月分から、タイミングによっては2か月分弱程度を見ておくと安心です。

4. 賃貸保証会社の保証料

リースバックでは、売却後は賃貸契約になるため、賃貸保証会社への加入が必要になるケースが多いです。

保証会社の初回保証料は、家賃の50%から100%程度が目安とされています。更新保証料については、1年ごとに1万円から2万円程度がかかるケースもあります。

たとえば、家賃8万円の場合、初回保証料は4万円から8万円程度が一つの目安です。

保証会社によっては、初回保証料を家賃の50%程度に抑える代わりに、毎年1万円程度の更新料が必要なプランもあります。一方、初回に家賃1か月分程度の保証料を支払うことで、毎年の更新料がかからないタイプもあります。

ここは会社や保証プランによって異なるため、契約前に必ず確認すべき項目です。

5. 固定資産税・都市計画税の清算

固定資産税・都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者に課税されます。

不動産売買の実務では、売主が年間分を負担し続けるのではなく、引渡日を基準に日割り清算することが一般的です。リースバックでも、売却日以降の固定資産税相当額については、買主側から売主へ清算されるケースが多いです。

つまり、売主にとっては差し引かれる費用というより、売買代金とは別に受け取れる清算金になる場合があります。

ただし、関西では4月1日を起算日とする慣習、関東では1月1日を起算日とする慣習が使われることもあり、地域や契約内容によって取り扱いが異なります。契約前に、固定資産税の清算方法は必ず確認しておくべきです。

6. 仲介手数料がかかる会社もある

ここは非常に重要です。

リースバック会社によっては、自社で直接買い取るのではなく、投資家や第三者の買主を探す「仲介型」のリースバックを行っている場合があります。

仲介型の場合、売買契約が成立すると、売主側に仲介手数料が発生する可能性があります。国土交通省は、不動産売買の仲介手数料について、宅建業者が受け取れる上限額を定めています。800万円を超える売買では、一般的に「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限の目安になります。

たとえば、売買価格1,500万円の場合、仲介手数料の上限は次のとおりです。

1,500万円×3%+6万円=51万円

51万円+消費税10%=56万1,000円

つまり、仲介型のリースバックでは、売買価格が同じ1,500万円でも、仲介手数料として約56万円が差し引かれる可能性があります。

これは手残りに大きく影響します。

1,500万円でリースバックした場合の費用例

ここでは、わかりやすく次の条件で試算します。

売買価格:1,500万円

家賃:月8万円

住宅ローン残債:なし

固定資産税清算:一旦除外

保証料:家賃1か月分

司法書士費用:7万円

印紙代:1万円

この場合の概算は次のようになります。

売買代金:1,500万円

売買契約書印紙代:▲1万円

司法書士費用:▲7万円(抵当権抹消無し)

前家賃:▲8万円

保証会社初回保証料:▲8万円

概算手残り:1,476万円

ここに、固定資産税の日割り清算金が加算される場合があります。逆に、住宅ローン残債がある場合は、その返済額が大きく差し引かれます。

たとえば、住宅ローン残債が900万円ある場合は、概算手残りは次のようになります。

売買代金:1,500万円

住宅ローン返済:▲900万円

印紙代:▲1万円

司法書士費用:▲9万円(抵当権抹消有り)

前家賃:▲8万円

保証会社初回保証料:▲8万円

概算手残り:574万円

このように、リースバックでは「買取価格」だけでなく、「ローン残債」「家賃」「保証料」「登記費用」「仲介手数料の有無」を含めて判断することが大切です。

注意したいのは「高い査定額」より「最終手残り」

リースバックを比較する際、多くの方は買取価格に目が行きます。

もちろん、買取価格は重要です。しかし、実際には次のようなケースがあります。

A社は1,550万円で買い取るが、仲介手数料が約58万円かかる。

B社は1,500万円で買い取るが、自社買取のため仲介手数料がかからない。

C社は1,600万円と提示しているが、家賃が高く、保証料や礼金、事務手数料が別途かかる。

この場合、表面的な査定額だけでは、どの会社が有利か判断できません。

特にリースバックでは、売却後も住み続けるため、初期費用だけでなく、毎月の家賃負担も重要です。買取価格が高くても、家賃が高すぎれば、数年後に支払いが厳しくなり、結果的に退去せざるを得なくなるリスクがあります。

リースバックで本当に見るべきなのは、「買取価格」「手残り」「家賃」「契約期間」「再売却方針」「買戻し条件」「退去時の条件」を総合的に見たバランスです。

リースバック安心館の費用面での考え方

ヤマトハウステックが運営するリースバック安心館では、リースバックを検討される方に対して、できるだけ実際の手残りがわかりやすい説明を心がけています。

特に大切にしているのは、単に「いくらで買い取れるか」だけではなく、決済時に何が差し引かれ、最終的にいくら手元に残るのかを事前に確認することです。

また、リースバック安心館では、自社買取を基本としているため、一般的な仲介型リースバックのように、売主様側へ売買仲介手数料が発生しない形でご提案できるケースがあります。

さらに、リースバックの賃貸部分については、礼金や賃貸契約の事務手数料が不要となるような設計を行っており、初期費用の負担をできるだけ抑えた案内を心がけています。

もちろん、売買契約書の印紙代、抵当権抹消に関する司法書士費用、保証会社の保証料、前家賃など、制度上または契約上必要となる費用は発生します。しかし、どの費用が必要で、どの費用が不要なのかを明確にすることで、契約後の不安や誤解を減らすことができます。

契約前に必ず確認したいチェックポイント

リースバックを契約する前には、次の点を確認しておくことをおすすめします。

まず、提示された買取価格から、実際に差し引かれる費用の一覧を出してもらうことです。売買代金、ローン返済額、印紙代、司法書士費用、前家賃、保証料、固定資産税清算、仲介手数料の有無を確認しましょう。

次に、賃貸保証会社の保証料です。初回保証料が家賃の何%なのか、毎年の更新料があるのか、月額保証料があるのかを確認しておく必要があります。

さらに、仲介手数料が発生するかどうかも重要です。自社買取なのか、第三者の買主を探す仲介型なのかによって、手残りが大きく変わる可能性があります。

最後に、売却後の家賃が無理なく支払える水準かどうかを確認しましょう。リースバックは「売って終わり」ではなく、「住み続ける契約」です。毎月の家賃が重すぎると、せっかく住み続けるためにリースバックを選んでも、数年後に支払いが難しくなる可能性があります。

まとめ

リースバックの諸費用は、通常の不動産売却よりも少し複雑です。

売買契約に関する費用だけでなく、賃貸借契約に関する前家賃や保証会社の保証料が同時に発生するためです。

特に確認すべき費用は、売買契約書の印紙代、司法書士費用、前家賃、賃貸保証会社の保証料、住宅ローン残債、固定資産税の清算、そして仲介手数料の有無です。

リースバックで後悔しないためには、査定額の高さだけで判断せず、「最終的にいくら手元に残るのか」「毎月の家賃を無理なく支払えるのか」「契約内容が長期的に安心できるものか」を確認することが重要です。

大阪・関西でリースバックを検討されている方は、買取価格だけでなく、諸費用や手残りまで含めて比較することをおすすめします。ヤマトハウステックのリースバック安心館では、売却後の生活まで見据えたうえで、できるだけわかりやすく、実務に即したご提案を行っています。

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