2026年5月22日、大阪府は「令和7年国勢調査(速報)」の概要を公表しました。今回の調査では、大阪府の人口が876万4,578人となり、前回の令和2年調査から73,107人減少。減少率は0.83%となりました。
そして今回、特に注目されたのが、
「大阪府の人口が880万人を下回った」
という点です。
国勢調査ベースで大阪府人口が880万人を下回るのは、平成7年調査以来、実に30年ぶりとされており、大阪においても人口減少社会が本格化していることを示す結果となりました。
一方で、今回の調査では単純な「人口減少」というだけではなく、
• 人が増える街
• 人口減少が進む街
• 世帯数が増える街
• 高齢化が進む街
など、“大阪府内での地域差”が非常に鮮明になったことも大きな特徴と言えます。
大阪府全体では人口減少局面へ
大阪府は長年、西日本最大の人口集積地として発展してきました。
しかし近年は、
• 少子高齢化
• 出生数減少
• 単身世帯増加
• 若年層人口減少
• 郊外エリアの高齢化
などが進行しており、今回の速報値でもその傾向が数字として表れています。
令和2年調査では約883万人だった人口が、今回は876万人台となり、5年間で約7万人減少しました。
ただし、重要なのは、
「大阪全体が均等に減少しているわけではない」
という点です。
今回の速報では、“人口が増える自治体”と“人口減少が進む自治体”の差がかなり大きくなっていることが分かります。
人口が増加したのは6市1町のみ
今回の速報値では、前回調査から人口が増加した自治体は、
• 6市
• 1町
のみとなりました。
つまり大阪府内の多くの自治体では、人口減少が進行していることになります。
その中でも増加数が多かったのは、
| 自治体 | 増加数 |
|---|---|
| 大阪市 | 56,212人増 |
| 吹田市 | 8,936人増 |
| 箕面市 | 3,718人増 |
という結果でした。
また、増加率では、
| 自治体 | 増加率 |
|---|---|
| 箕面市 | 2.72% |
| 吹田市 | 2.32% |
| 島本町 | 2.23% |
となっており、北摂エリアの強さが際立つ結果となりました。
なぜ吹田市・箕面市は人口を伸ばしているのか
今回特に注目されたのが、吹田市 と 箕面市 の存在感です。
吹田市の強さ
吹田市は以前から、
• 教育環境
• 医療環境
• 大阪市内へのアクセス
• 千里ニュータウン
• 万博記念公園周辺開発
などの面で人気が高いエリアでした。
さらに近年は、
• 共働き世帯
• 子育て世帯
• 北摂ブランド志向
などからも支持を集めています。
大阪・関西万博による北大阪エリアへの期待感もあり、「住宅地としての安定感」が高く評価されている地域の一つと言えるでしょう。
箕面市は北大阪急行延伸の影響も
一方、箕面市では北大阪急行延伸の影響が大きいと考えられています。
新駅開業によって交通利便性が大きく向上し、住宅需要の押し上げ要因となっています。
従来、
• 「自然が多い」
• 「落ち着いた住宅地」
というイメージが強かった箕面市ですが、交通利便性向上によって、さらに人気エリアとして注目される状況になっています。
大阪府内の人口ランキングにも変化
今回の速報では、大阪府内の人口構成にも変化が見え始めています。
現在、大阪府内で人口が多い自治体は概ね以下のような構成となっています。
大阪府 人口上位自治体(速報値ベース参考)
| 順位 | 自治体 |
|---|---|
| 1位 | 大阪市 |
| 2位 | 堺市 |
| 3位 | 東大阪市 |
| 4位 | 豊中市 |
| 5位 | 吹田市 |
※速報値および各自治体推計人口等を参考に構成
特に今回注目されたのが、
吹田市が人口規模でも存在感を高めている
という点です。
これまで人口上位常連だった自治体との差が縮まり、北摂エリアの強さが数字にも表れ始めています。
一方で人口減少が大きい地域も
今回の速報では、人口減少数が大きかった自治体として、
| 自治体 | 減少数 |
|---|---|
| 堺市 | 22,828人減 |
| 東大阪市 | 11,322人減 |
| 枚方市 | 8,297人減 |
などが挙げられています。
また減少率では、
• 能勢町
• 千早赤阪村
• 岬町
などで大きな減少率となりました。
もちろん人口減少だけで地域価値が決まるわけではありません。
しかし今後は、
• 駅距離
• 商業集積
• 交通インフラ
• 医療環境
• 子育て環境
などによって、“地域間格差”がさらに広がる可能性もありそうです。
実は重要なのは「世帯数増加」
今回の速報で非常に興味深いのが、
人口は減っているのに、世帯数は増えている
という点です。
大阪府の世帯数は、
• 430万7,758世帯
• 前回調査から171,879世帯増
• 増加率4.16%
となりました。
一方で、1世帯当たり人員は、
• 令和2年:2.14人
• 令和7年:2.03人
へ縮小しています。
これはつまり、
• 単身世帯増加
• 高齢夫婦世帯増加
• 未婚率上昇
• 子どもの独立
などが進んでいることを意味しています。
つまり今後の住宅市場では、
「人口が多いか」だけではなく、
• どんな世帯が増えるのか
• どんな暮らし方が増えるのか
がより重要になっていく可能性があります。
万博後の大阪はどう変わるのか
現在の大阪は、
• 大阪・関西万博
• IR
• 再開発
• インバウンド回復
• タワーマンション建設
など、大きな転換期にあります。
一方で、
• 郊外高齢化
• 空き家問題
• 人口流出
も同時に進行しています。
つまり今後の大阪は、
「大阪全体が伸びる時代」
ではなく、
「選ばれるエリアに人が集まる時代」
へ移行していく可能性があります。
今回の国勢調査速報は、その変化を非常にリアルに映し出したデータと言えるかもしれません。
参考・引用元
※本記事は2026年5月22日時点で公表された速報値をもとに作成しています。今後、総務省統計局が公表する確定値と異なる場合があります。
