「リースバックはやめとけ」と言われる理由。本当にそうでしょうか?私が豊中市で担当したご夫婦との実際の相談事例

インターネットで「リースバック」と検索すると、「やめとけ」「損をする」「危険」「悪質」といった言葉を目にすることがあります。

確かに、どのような制度にも向き・不向きがあります。リースバックも例外ではありません。

しかし、私は大阪で数多くのリースバック相談を受けてきましたが、「本当に助かった」「あの時相談してよかった」と何度も感謝の言葉をいただいた経験があります。

今回は、お客様のご了承をいただいたうえで、個人が特定されないよう内容を一部変更しながら、実際に私が担当した豊中市のご夫婦との相談事例をご紹介したいと思います。

豊中市庄内駅近くで約30年間続けた事業

ある日、ホームページをご覧になった一組のご夫婦からお問い合わせをいただきました。

仮に田中様ご夫妻とします。

ご主人は68歳、奥様は66歳。

お二人暮らしで、お子様はすでに独立され、ご夫婦だけで生活されていました。

物件は庄内駅から徒歩約10分圏内。

土地は約21.6坪、建物は延床約75㎡の鉄骨造3階建で、築年数は30年弱です。

1階部分は小さな事務所として利用され、2階・3階を住居として使用されていました。

近所を歩くと、「社長、おはようございます」と声を掛けられることも珍しくなく、ご主人は約30年間、この場所で地域に根差した事業を続けてこられました。

毎朝シャッターを開け、顔なじみのお客様が来店し、夕方には近所の方と世間話をする。

そんな日常が当たり前になっていたそうです。

10年前の借入返済と老後資金への不安

今回ご相談いただいた理由は、10年ほど前に自宅を担保にして借り入れた事業資金の返済と、今後の生活費への不安でした。

年齢的にも事業を続けるか悩んでおられ、

「そろそろ店を閉めてもいいかなとも思うんです。」

と、ご主人は静かに話してくださいました。

一方で、

「もし必要なら引っ越しも考えています。」

というお話もありました。

そこで私は、最初からリースバックありきではなく、

· 一般売却

· リースバック

この2つの方法を比較してご提案することにしました。

「仲介でも売れると思います。でも近所には知られたくない」

不動産会社として考えれば、この立地であれば仲介による一般売却も十分可能だと判断していました。

そのため、

「時間に余裕があるなら一般売却という方法もあります。」

とご説明しました。

すると奥様は少し困ったような表情で、

「売りに出していることを近所に知られたくないんです。」

とおっしゃいました。

ご主人も続けて、

「30年間ここで仕事をしてきましたから、看板が出たり、人の出入りが増えたりすると、いろいろ聞かれるでしょう。」

「それなら多少価格が下がっても、不動産会社さんに直接買ってもらえる方が安心です。」

その言葉がとても印象に残っています。

不動産は価格だけでは判断できない。

改めてそう感じた瞬間でした。

何度も資料をやり取りして査定を進めた

査定は一度お会いして終わりではありません。

固定資産税の納税通知書をご用意いただいたり、建築当時の間取り図を探していただいたり、権利関係の確認をしたりと、何度もやり取りを重ねました。

途中で電話をいただくこともありました。

「こんな書類で大丈夫ですか?」

「押し入れの奥から昔の図面が出てきました。」

そんな会話をしながら、一つひとつ確認を進めていきました。

査定という仕事は、数字だけを計算して終わりではありません。

お客様の事情や気持ちも含めて考えることが大切だと私は思っています。

査定結果は一般売却1,800万円、リースバック約1,500万円

最終的な査定結果は、

一般売却の場合で約1,800万円。

リースバックの場合で約1,500万円。

約300万円の差がありました。

私は提案書を作成しながら、正直な気持ちとして、

「このケースなら一般売却の方がお客様にとってメリットが大きいかもしれない。」

そう考えていました。

引っ越し費用も十分確保できますし、手元に残る資金も増えます。

だからこそ、無理にリースバックを勧めるつもりはありませんでした。

金額を説明する前にご夫婦の答えは決まっていた

提案書を持ってご自宅を訪問した日。

ご夫婦は笑顔で迎えてくださいました。

そして奥様が最初にこうおっしゃいました。

「主人と何度も話し合ったんです。」

「やっぱり引っ越しはしたくないね、という結論になりました。」

ご主人も続けます。

「もう少しだけ、この場所で仕事を続けてみます。」

私はまだ査定金額を説明していませんでした。

それよりも先に、ご夫婦の中では答えが出ていたのです。

住み慣れた家。

長年築いてきた近所との関係。

毎朝開ける事務所のシャッター。

それらを手放したくないという思いが、金額以上に大きかったのでしょう。

リースバックは住み続ける代わりに価格が下がる

私はどのお客様にも必ずお伝えしていることがあります。

リースバックは、売却後も住み続けられる仕組みです。

そのため、一般市場で自由に販売活動ができません。

投資家や不動産会社が家賃収入を前提に購入することになるため、どうしても通常の売却価格より低くなる傾向があります。

これは制度上、避けられない部分です。

だからこそ私は、

「引っ越しが可能なら一般売却の方が高く売れる可能性があります。」

という説明を毎回欠かしません。

実際に一般売却をおすすめするケースも数多くあります。

「リースバックは悪」と決めつけるのは違う

最近はSNSやインターネットで、

「リースバックはやめとけ。」

「リースバックは損しかしない。」

そんな意見を見ることがあります。

もちろん、合わない方がいるのも事実です。

高く売りたい方。

引っ越しに抵抗がない方。

時間をかけてでも仲介で売却できる方。

そのような方には、一般売却の方が適している場合もあります。

しかし一方で、

「どうしても住み続けたい。」

「近所には知られたくない。」

「事業を続けたい。」

「子どもの学校を変えたくない。」

「高齢で引っ越しが難しい。」

そんな事情を抱える方にとっては、価格以上の価値を持つ制度になることもあります。

制度そのものが良い悪いではありません。

その方に合っているかどうかが重要なのです。

最後にいただいた「ありがとう」が私の原動力

一通りお話が終わり、ご夫婦がお帰りになる際、ご主人が何度も私の手を握ってくださいました。

「本当にありがとう。」

「相談してよかったわ。」

その言葉を何度も繰り返してくださいました。

私はこの仕事をしていて、この瞬間が一番うれしいと感じます。

高額な取引が成立したからではありません。

お客様が納得して、自分たちに合った選択ができたことを喜んでくださる。

それが私自身の励みであり、次の相談へのモチベーションになっています。

リースバックは万人向けではありません。だからこそ正直にご提案します

株式会社ヤマトハウステックでは、リースバックを無理におすすめすることはありません。

ご相談内容によっては、

「今回は一般売却の方がメリットがあります。」

「仲介の方が手残りが多くなります。」

と率直にお伝えしています。

そのうえで、「それでも住み続けたい」というお気持ちが強い方には、リースバックという選択肢をご提案しています。

リースバックは決して万人向けの制度ではありません。

しかし、本当に必要としている方にとっては、生活や人生を守る大きな支えになることがあります。

もし現在、ご自宅の売却や住み続ける方法で悩まれている方がいらっしゃいましたら、一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

無理な営業は一切いたしません。

お客様にとって本当に納得できる方法を、一緒に考えさせていただきます。

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