「一生住めます」は本当か?ヤフーニュースのリースバック記事をきっかけに、後悔を減らすために知っておきたいこと

最近、Yahoo!ニュースでリースバックに関する記事を目にしました。タイトルは刺激的ですが、内容は「リースバック契約後に家賃負担や契約形態の理解不足で不安が大きくなった」という趣旨の事例紹介でした。
コメント欄を見ると、同様の不安や疑問を持たれている方も多い印象を受けました。

▶ 元記事はこちら(Yahoo!ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c9463206279e37241d2046065188acdd589263e?page=1

私たちヤマトハウステックはこの記事を読んで、「リースバックは危険だ」と断じたいわけではありません。
むしろ、仕組みや契約条件を正しく理解しないまま契約が進むことが、トラブルや後悔につながりやすい――そう感じました。

本記事は、注意喚起の意味も込めて、リースバックを検討中の方に「必ず確認してほしいポイント」を整理したものです。

リースバックとは何か(まずは基礎から)

リースバックとは、簡単に言うと次の仕組みです。

自宅を不動産会社や投資家に売却し、売却後も同じ家に「賃貸」で住み続ける

つまり「所有権」は手放す一方、「住み続ける(使用する)」選択肢を確保する方法

主なメリットとしては、

・売却代金を現金化できる
・引越しを避けられる(状況による)
・売却と住み替えの手間を減らせる

などが挙げられます。

ただし当然ながら「売却して終わり」ではありません。
売却後の家賃支払いと、賃貸借契約の内容(特に契約形態)の理解が、最重要ポイントになります。

元記事のポイント

元記事では、高齢のご夫婦がリースバックを利用した結果、次の点で不安が大きくなった…という流れで紹介されていました。

・売却後に設定された家賃が家計にとって重く、将来の支払い総額が大きくなる不安
・「ずっと住める」と思っていたが、実際の契約が「更新が保証されない」形態だった(契約理解の問題)

ここで重要なのは、「リースバックという仕組み」そのものよりも、「出口(家賃・期間・契約形態)」の設計と理解が不足すると後悔につながる、という点です。

なぜ誤解が起きやすいのか(入口より出口が重要)

リースバックの相談で多いのが、どうしても「いくらで売れるか(入口)」に意識が集中することです。
しかし本当に大事なのは、むしろ「出口」です。

毎月いくら払うのか
何年住む想定なのか
トータルでいくら支払う可能性があるのか
契約満了後も住める条件になっているのか

特に家賃は、売却価格と利回り(投資として成立する水準)から設計されることが多く、周辺相場より高くなることもあり得ます。
このため、“売却代金で安心”と思っても、家賃で不安が増えるという逆転が起きやすいのです。

「一生住めます」は保証されるのか?

結論から言うと、制度そのものが「一生住める」ことを保証するわけではありません。

普通借家契約でも、家賃を払い続けられなければ住み続けられません
定期借家契約の場合、契約期間満了で終了し、更新が前提ではありません(=住み続けるには再契約が必要)

「一生住める」という言葉が一人歩きすると、後から「こんなはずでは…」になりやすい。
だからこそ、“言葉”ではなく“契約書の条件”で判断することが大切です。

リースバックで後悔しないためのチェックポイント(契約前に必ず)

ここからが本題です。以下は、契約前に必ず確認してほしい項目です。

① 契約形態:普通借家か、定期借家か

定期借家契約は、期間満了で契約が終了しうる契約です。更新がされない前提で検討する必要があります。
「定期借家を提案された=将来の更新はできない」と理解して、再契約条件の有無や内容を必ず確認してください。

② 家賃の総額シミュレーション(入口より出口)

必ず、次を計算してください。

月額家賃 × 12か月 × 想定居住年数 = 総支払額

これをやるだけで、「本当に安心につながるか?」が一気に現実的になります。

③ 周辺相場との比較(割高・割安を把握)

周辺相場より高くなるケースは珍しくありません。相場比較をしないと「妥当性」が判断できません。
比較は、SUUMO等の賃貸相場/近隣の募集事例/不動産会社の査定など、複数ソースで行うのがおすすめです。

④ 口頭説明ではなく書面で確認

「ずっと住める」「更新できる」など、将来に関わる説明は特に、契約書・重要事項説明書・特約に書面で落とし込まれているかが重要です。
書面化されていない内容は、後から食い違いが起きやすくなります。

公的機関も注意喚起しています(参考)

リースバックは違法な仕組みではありませんが、高齢者を中心にトラブル相談もあり、公的機関から注意喚起が出ています。

消費者庁:取引の仕組みや目的を納得してから契約すること、安易に所有権を手放さないこと等の注意
国土交通省:住宅のリースバックに関する消費者向けガイドブック(定期借家の注意点など)
国民生活センター:強引な勧誘などを含む注意喚起

「公的機関が注意喚起している=全部ダメ」ではありません。
ただし、注意点が構造的に存在する制度だということは、冷静に押さえておくべきです。

リースバックが向いている方(限定的です)

私たちは、リースバックを「万人にメリットがある制度」だとは考えていません。
向いているのは、概ね次のような方です。

・売却を急ぐ事情がある(時間的余裕がない)
・相続予定がなく、資産を現金化して暮らしに充てたい
・どうしても引越しを避けたい事情がある
・一定期間の居住を前提に資金化したい(期間の見立てがある)

逆に言うと、「なんとなく不安だから」「一生住めると聞いたから」だけで進めるのは危険です。

最後に:ヤマトハウステックの考え方

ヤマトハウステックでは、リースバックを「万能な制度」としておすすめしていません。
後悔やトラブルを減らすために、

・通常売却との比較
・家賃と総支払額のシミュレーション
・契約形態(普通借家/定期借家)と更新条件の明確化
・ご家族も含めた理解の整理

を大切にしています。

不動産は人生で最も大きな資産です。
焦って決めるのではなく、仕組みと条件を整理してから判断することが、後悔しない選択につながります。

参考リンク(制度理解のための外部情報)

※以下は「制度の理解を深める参考情報」です。特定企業を推奨する意図はありません。

みずほ銀行:リースバックのメリット・デメリット等の解説
https://www.mizuhobank.co.jp/loan_reverse60/article/no_3/index.html

消費者庁:資産の運用・処分に関する注意喚起(住宅のリースバックにも言及)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_043

国土交通省:住宅のリースバックに関するガイドブック(PDF)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001489269.pdf

国民生活センター:強引に勧められる住宅のリースバック契約に注意(2025年)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250521_1.html