リースバックの現場で「えっ?」と思った話― 同業者とバッティングして見えた条件の差 ―

最近、リースバックのご相談が増えています。
その中で、同じお客様に対して複数社が提案を行い、いわゆる“バッティング”になるケースも珍しくありません。

正直に言います。
私はこの現場で、何度も「えっ?」と思う瞬間がありました。

今日は、その実話をお伝えします。

■ 買取価格は同じ。でも手取りが全然違った

あるお客様のケースです。

当社と他社、どちらも提示した買取価格は同じでした。
仮に2,000万円とします。

金額だけを見れば、条件は同じに見えます。

しかし、お客様が他社の明細を持って来られたとき、私は驚きました。

最終手取り額が、当社より数百万円も少なかったのです。

理由は何か。

内訳を見るとこうなっていました。

・礼金:家賃3ヶ月分
・事務手数料:家賃5ヶ月分
・その他諸費用

リースバックは、売買契約と同時に賃貸借契約を結びます。
確かに形式上は「賃貸契約」です。

しかしその会社は、
売却直後の“自宅に住み続ける契約”に対して、
通常賃貸と同様、あるいはそれ以上の費用を請求していました。

家賃が12万円であれば、

礼金:36万円
事務手数料:60万円

合計96万円。

これが売却代金から差し引かれていました。

お客様は言いました。

「買取価格は同じだと思っていたのに、
こんなに違うとは思わなかった。」

■ リースバックで礼金や事務手数料は妥当なのか?

もちろん、法律上「違法」とは言えません。

賃貸契約である以上、
礼金を取ることも、事務手数料を取ることも可能です。

しかし考えてみてください。

売却前から住んでいる自宅に、
売却後もそのまま住み続ける。

それなのに、

「新規入居扱い」として
高額な礼金や手数料が発生する。

本当にそれが合理的でしょうか。

当社では、
リースバックは“住み続けることが前提”の商品です。

そのため、

・礼金なし
・事務手数料なし

としています。

利益は家賃と出口設計で取る。
それが当社の考えです。

■ 定期借家契約という落とし穴

別のケースでは、
「一生住めます」と言われて契約したお客様がいました。

契約書を見ると、定期借家契約。

期間満了後、更新なし。

つまり、

会社側が更新しなければ退去。

ご本人は
「更新される前提だと思っていた」と言われました。

定期借家が悪いわけではありません。

しかし、

・普通借家か
・定期借家か

この違いを理解せずに契約することは、大きなリスクです。

■ 買戻し価格1.4倍の現実

さらに驚いたのは、買戻し価格。

取得価格の1.4倍。

10年後に1.4倍で買い戻すという設計です。

もちろん、契約上は問題ありません。

しかし、

家賃を10年間払い続け、
さらに1.4倍で買い戻す。

総支払額を計算すると、
かなりの金額になります。

リースバックは「安心」のための商品であって、
将来の重荷になる商品であってはならないと私は思っています。

■ 三為契約という構造

現場でよく見るのが「三為契約」です。

三為契約とは、
A(お客様)→B(業者)→C(投資家)
という形で、最初から転売前提で組まれる契約です。

三為契約自体が悪いわけではありません。

しかし問題は、

転売益を前提とした設計になるため、
AB間の買取価格が抑えられやすいことです。

BはCに売って利益を確保する必要がある。

つまり、

最初の提示額が低くなる傾向があります。

お客様はそれを知りません。

「相場だから」と言われれば、
そう思ってしまいます。

■ リースバックは本来、悪い商品ではない

私はリースバック自体を否定しません。

資金化しながら住み続けられる。
これは大きなメリットです。

しかし、

・手取り金額の見えにくさ
・契約形態の説明不足
・出口価格の過大設定

こうした点が、悪いイメージを作っています。

■ 私たちが目指しているもの

当社では、

・家賃は相場水準
・礼金なし
・過度な手数料なし
・買戻し価格は取得価格の約1.2倍前後

としています。

爆発的な利益は出ません。

しかし、紹介が増えます。

「ここなら安心」と言っていただけることが増えました。

リースバックは、
利益勝負ではなく、信用勝負だと感じています。

■ 次回予告

今回触れた「三為契約」。

次回は、

「三為契約とは何か?」
「なぜリースバックで多いのか?」
「メリットと注意点は何か?」

を、具体的に解説します。

リースバックを正しく理解するために。

それが、悪いイメージを払拭する第一歩だと考えています。

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