近年、不動産価格の上昇を背景に「共有持分」の売買が活発化しています。
近年、不動産価格の上昇を背景に「共有持分」の売買が活発化しています。ニュースでも取り上げられる機会が増え、「持分だけでも売れる」「すぐに現金化できる」といった広告も目立つようになりました。
確かに、共有持分は法律上、他の共有者の同意がなくても自由に売却できます。
しかしその一方で、トラブルも確実に増えています。
今回は、共有持分売買の仕組み、活発化している理由、そして問題点と注意点について整理し、最後にヤマトハウステックとしての対応方針もお伝えします。
そもそも共有持分とは何か
共有不動産とは、ひとつの不動産を複数人で所有している状態を指します。
たとえば、
・相続で兄弟3人がそれぞれ3分の1ずつ所有
・離婚時に夫婦で2分の1ずつ所有
・親子で共同購入して持分を分けている
このようなケースです。
この「持分」は、不動産全体の一部割合を意味します。
重要なのは、持分=特定の部屋や場所を指すわけではないという点です。
3分の1持っているからといって、建物の3分の1を自由に使えるわけではありません。あくまで“所有権の割合”です。
なぜ共有持分の売買が活発化しているのか
背景には大きく3つの要因があります。
① 不動産価格の上昇
全国的に不動産価格が上昇傾向にあります。
価格が上がれば、「持分だけでも売れるのでは?」と考える人が増えます。
特に都市部では、共有状態のまま放置されている相続不動産が多く、現金化ニーズが高まっています。
② 相続トラブルの増加
兄弟間で意見が合わない
誰も住んでいないが売却も決まらない
固定資産税だけが負担になる
こうした状況で、「自分の持分だけでも手放したい」という心理が働きます。
③ 持分専門買取業者の増加
近年、共有持分専門の買取業者が増えました。
「他の共有者に知られず売却可能」「即日現金化」といった広告も多く、心理的ハードルが下がっています。
共有持分の価格はなぜ安いのか
共有持分は、通常の市場価格よりも大幅に安くなります。
一般的に市場価格の3割〜6割程度と言われます。
その理由は明確です。
・単独で使用できない
・共有者との調整が必要
・将来的に訴訟や交渉リスクがある
・再販売が難しい
つまり、流動性が極端に低い資産だからです。
買う側は、その後に共有物分割請求や交渉を行う可能性を前提に価格を設定します。
そのリスク分が差し引かれるため、価格が下がるのです。
法律的には問題ないが、トラブルは増える
民法上、共有持分は自由に売却できます。
他の共有者の承諾は不要です。
しかし、問題は「法律的に可能」=「トラブルが起きない」ではないということです。
よくあるトラブル例
- 知らない第三者が突然共有者になる
- 新しい共有者から賃料請求や立退き交渉が始まる
- 共有物分割請求訴訟を起こされる
- 共有者間の関係が完全に破綻する
特に、居住している共有者にとっては、心理的負担が非常に大きくなります。
「勝手に売った」と感情的対立が起きるケースも少なくありません。
共有物分割請求というリスク
共有者はいつでも「共有物分割請求」をすることができます。
これは、
・現物分割(物理的に分ける)
・代償分割(誰かが買い取る)
・換価分割(売却して分ける)
のいずれかを求める制度です。
実務上は「競売」に進むケースもあります。
競売になると市場価格より安くなる可能性が高く、全員にとって不利な結果になることもあります。
持分を第三者が取得した後、この請求を行うケースが増えているのが現状です。
安易な売却の注意点
共有持分を売る前に、必ず確認すべきポイントがあります。
① 他の共有者と話し合いは本当に不可能か
感情的になっているだけで、実は交渉可能な場合もあります。
一度冷静に整理することが重要です。
② 将来の関係性への影響
親族関係が完全に壊れる可能性があります。
特に相続物件は慎重に判断すべきです。
③ 買取価格の妥当性
極端に安い条件を提示されるケースもあります。
複数社比較は必須です。
④ 売却後の責任範囲
固定資産税の精算
占有状況
建物の瑕疵
条件をきちんと整理しないと後々問題になります。
ヤマトハウステックの共有持分対応方針
ヤマトハウステックでは、共有持分の買取相談も承っています。
ただし、私たちは「とにかく買う」という姿勢ではありません。
① まずは全体最適を考える
持分売却だけが正解とは限りません。
・他共有者への持分売却
・全体売却の調整
・代償分割の提案
・リースバック活用
状況に応じて最適解を検討します。
② 感情対立を煽らない
一部の業者は、対立を前提に動きます。
しかし私たちは、可能な限り円満解決を目指します。
共有不動産は「人間関係の問題」でもあるからです。
③ リスクを正直に説明
・価格は市場より安くなる
・共有者との関係が悪化する可能性
・将来的な法的手続き
これらを包み隠さずお伝えします。
共有持分売買は「最後の手段」
共有持分の売却は、決して悪い選択ではありません。
実際、どうしても解決できないケースもあります。
しかし、それは最後の選択肢であるべきです。
価格が上がっている今だからこそ、焦って動くのではなく、全体を見て判断する必要があります。
まとめ
共有持分売買が活発化している背景には、
・不動産価格の上昇
・相続トラブルの増加
・専門業者の参入
があります。
しかし、価格は市場の3割〜6割程度に下がり、トラブルリスクも高いのが実情です。
法律上問題なくても、実務上は非常にデリケートな取引です。
ヤマトハウステックでは、共有持分の買取も対応しておりますが、単純な現金化だけでなく「将来の関係性」「最終的な出口戦略」まで含めてご提案します。
共有持分でお悩みの方は、まずは冷静に状況を整理することから始めてください。
感情ではなく、戦略で動くこと。
それが、共有不動産問題を解決する第一歩です。
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