三為契約とは何か?― リースバックで多く使われる理由と、知っておくべきメリット・注意点 ―

前回のコラムのおさらい

前回のコラムでは、リースバックの現場で実際にあった事例をご紹介しました。
その中で触れた「三為契約(さんためけいやく)」という言葉。

不動産業界にいない方にとっては、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。

今回は、

・三為契約とは何か
・なぜリースバックで多く使われるのか
・メリットと注意点は何か

を、できるだけ分かりやすく解説します。

リースバックを正しく理解するために、避けて通れないテーマです。

三為契約とは?

三為契約とは、「第三者のためにする契約」の略称です。

簡単に言うと、

A(売主)
B(業者)
C(最終買主・投資家)

という三者が関係する取引です。

通常の不動産売買は、

A → B

で完結します。

しかし三為契約では、

A → B
B → C

という二段階の売買が、ほぼ同時に行われます。

そして最終的な所有者はCになります。

Bは物件を一瞬も保有せず、
中間マージン(差益)を得る構造です。

これ自体は、法律上まったく問題ありません。
宅建業法上も認められている取引形態です。

なぜリースバックで三為契約が多いのか?

リースバックは、通常の売買と違い、

・売却と同時に賃貸借契約を結ぶ
・長期で家賃収入を得る前提
・将来の買戻し特約が付くこともある

という、少し特殊な構造を持ちます。

ここに三為契約が絡む理由は大きく3つあります。

① 業者が自己資金を使わずに成立させられる

リースバックは、買取金額が大きくなりがちです。

しかし業者が自己資金で全額買い取るのは、リスクも大きい。

そこで、

投資家(C)を事前に確保し、
A → B → C と同時決済する。

Bは資金を長期拘束せずに済みます。

資金効率は非常に良いモデルです。

② 投資家目線で商品化しやすい

投資家は、

・利回り
・家賃水準
・契約期間

を重視します。

三為契約であれば、
投資家の求める利回りから逆算して価格設計が可能です。

例えば、

Cが年利8%を求めるなら、
家賃と購入価格をそこに合わせる。

すると、必然的にAへの買取価格が決まります。

ここに価格圧縮の要因が生まれます。

③ 業者が在庫リスクを負わない

通常の買取再販では、
在庫リスクがあります。

売れなければ資金が止まります。

しかし三為契約では、
最終買主が決まってから動くため、在庫リスクがほぼありません。

業者にとっては合理的な仕組みです。

三為契約のメリット

三為契約は悪い仕組みではありません。

むしろ、うまく使えばメリットもあります。

1. スピードが早い

投資家が事前に確定していれば、
即日決済も可能です。

資金化を急ぐお客様には大きなメリットです。

2. 価格がブレにくい

投資家の基準が明確であれば、
条件がはっきりしているため、話が早い。

曖昧な査定よりも、明確な利回り基準で判断されます。

3. 契約構造がシンプル

売却後の管理や家賃回収は投資家側が行うことが多く、
業者は仲介的役割に徹します。

分業化が進んでいるとも言えます。

しかし注意すべき点

ここが重要です。

三為契約が問題になるのは、「構造を知らないまま契約する」場合です。

① 買取価格が抑えられやすい

先ほど説明した通り、

Cの利回りが先に決まると、
そこから逆算されます。

結果として、

Aの買取価格が抑えられることがあります。

お客様は、

「相場だから仕方ない」

と思ってしまうこともありますが、

本当に相場なのかは確認が必要です。

② 買戻し価格が高くなりやすい

投資家は長期保有リスクを見ます。

そのため、

買戻し特約を付ける場合、
高めに設定される傾向があります。

1.4倍、1.5倍というケースも実際に存在します。

③ 説明が不十分になりがち

契約書はA-B間、B-C間と複数存在します。

しかしAには、Cとの契約内容は直接見えません。

ここに情報の非対称性が生まれます。

三為契約=悪ではない

ここは誤解しないでください。

三為契約自体は合法であり、
合理的な仕組みです。

問題は、

・価格の透明性
・契約内容の説明
・最終的な手取り金額

が十分に共有されているかどうか。

ここがすべてです。

リースバックにおける理想形とは

理想は、

・買取価格が適正
・家賃が相場水準
・買戻し価格が現実的
・契約形態が明確

このバランスです。

三為契約であっても、

お客様に不利にならない設計であれば問題はありません。

しかし、

「転売益ありき」の設計になると、
どうしても価格は圧縮されやすくなります。

なぜリースバックは誤解されるのか

一部の過度な条件設定が、

業界全体のイメージを悪くしています。

・高すぎる家賃
・高すぎる買戻し価格
・定期借家での退去リスク
・手取りの不透明さ

これらが混ざると、

「リースバック=危ない」

という印象になります。

しかし本来は、
正しく設計すれば有効な資金化手段です。

私たちが考えるスタンス

私たちは、

・三為契約が悪いとは思っていません
・しかし構造は必ず説明します
・手取り金額を明確に提示します
・買戻し価格は現実的な倍率にします

利益だけでなく、
長期的な信用を重視しています。

リースバックは、

“その場の利益”よりも
“10年後の信頼”が大切な商品です。

まとめ

三為契約とは、

合法で合理的な仕組みです。

しかし、

・価格がどう決まっているのか
・誰が最終的な所有者になるのか
・将来どうなるのか

を理解せずに契約することは危険です。

リースバックの悪いイメージは、
制度そのものではなく、
説明不足と過度な利益設計から生まれています。

正しく理解し、
透明性を持って設計すれば、
リースバックは安心できる選択肢になります。

それが、
悪いイメージを払拭する第一歩だと私たちは考えています。

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