はじめに
日本は世界でも有数の「地震多発国」であり、1年の地震回数は世界全体の約10%以上が日本周辺で発生するといわれています。
最近でも青森県で大きな地震があり、「次は自分の地域かもしれない」「避難用具を準備しておこう」と不安が頭をよぎった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、気象庁の最新データをもとに「最近地震が多い県」をランキング形式で紹介し、各地域の背景や地震の少ない県の特徴、防災のポイントまで専門家目線で解説します。
ヤマトハウステック(大阪)でも、耐震診断や住まいのリフォーム相談が増えており、住宅と防災は切っても切れないテーマです。この記事が少しでも皆様の安心につながれば幸いです。
1. 日本の地震はなぜ多いのか
日本列島は4つのプレートが交差する非常に珍しい場所に位置しています。
- 太平洋プレート
- フィリピン海プレート
- 北米プレート
- ユーラシアプレート
これらが押し合い、沈み込み、ずれ動くことで、
✔ プレート境界型の大地震
✔ 内陸直下型地震
✔ 火山性地震
など、さまざまなタイプの地震が発生します。
さらに、
- 東日本大震災(2011)
- 熊本地震(2016)
- 能登半島地震(2024)
などの巨大地震の影響により、特定地域で長期間余震活動が続いています。
2. 【最新ランキング】地震が多い県トップ5
(※気象庁「震度1以上の有感地震」データをもとに編集。年度で変動あり)
| 順位 | 都道府県 | 年間地震回数(目安) |
|---|---|---|
| 1位 | 福島県 | 約7,457回 |
| 2位 | 茨城県 | 約6,696回 |
| 3位 | 宮城県 | 約5,693回 |
| 4位 | 岩手県 | 約5,041回 |
| 5位 | 熊本県 | 約4,733回 |
これらは、巨大地震の震源域に近かったり、活断層が多かったりと、地震が集中する地質的理由があります。
3. 地域別の地震傾向と背景
福島県:全国最多の地震回数
年間約7,400回、1日あたり約20回の地震が発生する計算になります。
なぜ多い?
- 東日本大震災の余震域
- プレート境界に近い
- 内陸直下の発生も多い
沿岸部〜中通りにかけて地震が頻発し、耐震性の高い住宅の重要性が強調されています。
茨城県:首都圏にも影響する揺れ
年間約6,696回。
特徴
- 太平洋プレートの沈み込みの影響
- 内陸・海域いずれも揺れやすい
- 特に県北・県南で活動が顕著
東京都心でも揺れを感じるケースが多く、社会的インパクトの大きい地域です。
宮城県・岩手県:東北の中核で長期の余震活動
宮城: 年間約5,693回
岩手: 年間約5,041回
東日本大震災の震源に近いため、10年以上経っても活動が継続しています。
宮城県
- 海域で大きな地震が周期的に発生
- 津波注意報が出るケースも多い
岩手県
- 内陸直下型地震も発生しやすい
- 山間部の土砂災害リスクも高い
熊本県:2016年熊本地震の余震が続く地域
年間約4,733回で全国5位。
特徴
- 布田川断層帯・日奈久断層帯が活発
- 日本でも特に直下型が多い地域
- 前震→本震→余震という特殊な発生パターン
震災後、建物の耐震化が急速に進んだ県でもあります。
4. 石川県:能登半島地震で状況が一変
2024年1月1日の能登半島地震(M7.6)により、石川県は「地震が多い県」に急変しました。
ポイント
- 半島という地形で被害が拡大
- 大規模な隆起・道路の破断
- 1年経過後も余震が活発
「今まで地震が少なかった地域が、突然多発する」という典型例です。
5. 特殊地域:トカラ列島・沖縄の地震
日本には本州とは異なる地震特性を持つ地域があります。
トカラ列島(鹿児島県)
2023年には震度1以上が2,238回
火山活動と連動した“群発地震”が特徴。
沖縄県
年間約800回の地震が発生し、こちらも地震多発地域。
琉球海溝沿いの活動が要因で、津波地震の歴史もあります。
6. 地震が少ない県の特徴
少ないから安全というわけではありませんが、統計上、以下の県は比較的地震が少ない傾向があります。
- 佐賀県
- 奈良県
- 福井県
- 香川県
- 三重県
- 富山県
共通点
- プレート境界から離れている
- 活断層が少ない
しかし、兵庫県ではかつて「地震が少ない地域」と言われながら阪神淡路大震災が発生しており、油断は禁物です。
7. 愛知県:震度5弱以上ゼロという特殊例
近年、愛知県では震度5弱以上の地震が観測されていません。
しかし、
南海トラフ地震の想定域であり、
「地震が少ない=安全」ではありません。
むしろ備えが重要な地域といえます。
8. なぜ地震に地域差が生まれるのか
地震発生の差は次の要因が大きく関わります。
- 地質・プレートの位置関係
- 活断層の数と分布
- 火山活動との関連
- 過去の巨大地震の影響
特に「大地震後の余震」は10年単位で続くことも多く、近年の日本の地震の多さを説明する要因です。
9. これからの地震に備えるために(住宅の専門家が解説)
ヤマトハウステックでも、地震に備えた相談が急増しています。
特に以下の3点は全国どこに住む方にも必須です。
① 住宅の耐震性チェック
築20年以上の住宅は一度点検をおすすめします。
- 1981年以前…旧耐震
- 2000年以前…耐震基準未達の可能性
関西でも南海トラフ地震が懸念されており、大阪の住宅でも対策は必須です。
② 非常用持ち出し袋の準備
最低3日分の水・食料、モバイルバッテリー、簡易トイレなどをセットで準備。
③ 家族の避難計画を決めておく
津波の心配がある地域では、
- 高台の位置
- 避難経路
- 合流場所
を地図で確認しておくことが大切です。
まとめ
日本の地震活動は地域差が大きいものの、
「どの地域でも大地震は起こり得る」
という前提で備えることが重要です。
- 福島・茨城・宮城・岩手・熊本は地震が多い
- 石川県は能登半島地震以降に急増
- 佐賀・奈良などは少ないが油断禁物
- 愛知は震度5弱以上ゼロだが南海トラフの想定域
ヤマトハウステックとしても、住まいの安全性向上・リフォーム・耐震相談などを通じて、みなさまの暮らしを守るサポートを行っております。
正しい知識と備えで、大切な家族と住まいを守りましょう。
