コウモリは、私たちの生活環境に深刻な被害をもたらす可能性があります。家に住み着いたコウモリは、その糞や尿により建物を傷め、悪臭の原因ともなります。さらに、コウモリは寄生虫やウイルスの媒体にもなり、人間の健康を脅かすリスクがあるのです。しかし一方で、コウモリは鳥獣保護法で保護されている生物でもあり、単に殺傷したり捕獲することはできません。このように、コウモリ駆除には注意が必要な点が多くあります。今回は、コウモリの特徴や被害、そして適切な駆除方法について詳しく解説していきます。
コウモリの特徴と被害
コウモリは夜行性の哺乳類で、鳥とは異なり飛膜を使って飛翔します。小さな体ですが機動力に優れ、わずか1〜2cmの隙間からでも簡単に家に侵入してきます。コウモリの主な被害としては、以下のようなものが挙げられます。
糞や尿による被害
コウモリは大食らいで、大量の糞や尿を排出します。これらが建物の内外に付着すると、悪臭の原因となるだけでなく、建物の劣化や腐食を招きます。また、糞の中に含まれる病原菌が人体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
特に、コウモリの糞には病原体のリスクがあり、ヒストプラズマ症などの感染症を引き起こす恐れがあります。糞の除去作業には、防塵マスクやゴーグルなどの安全装備が必要不可欠です。
騒音被害
コウモリには羽音があり、夜になると家の中で羽ばたく音が聞こえてきます。さらに、コウモリ同士のコミュニケーションの鳴き声も大きな騒音となり、住人の睡眠を妨げる可能性があります。
特に、コウモリの繁殖期には大声で鳴き交わすため、深夜でも大きな音が発生します。居住環境の悪化を防ぐためにも、コウモリの駆除は重要な対策となります。
ダニやノミの発生
コウモリにはダニやノミなどの寄生虫がたくさんついています。コウモリが家に侵入すれば、これらの寄生虫も一緒に侵入し、家の中で繁殖してしまいます。ダニやノミは人間や家畜にも付着し、皮膚炎などの健康被害をもたらす可能性があります。
ダニやノミの発生は、アレルギー症状の原因にもなるため、特に小さな子供がいる家庭では注意が必要です。コウモリの糞から発生したダニは、アトピー性皮膚炎のリスクを高めることがあります。
コウモリの適切な駆除方法
コウモリが家に住み着いてしまった場合、早急に適切な対策を講じる必要があります。しかし、コウモリは鳥獣保護法で保護されているため、個人での勝手な捕獲や殺傷は法律違反となります。ここでは、合法的で確実なコウモリ駆除の方法について解説します。
忌避剤の使用
コウモリを追い払う方法として最も一般的なのが、忌避剤の使用です。忌避剤には様々な種類があり、スプレータイプ、ジェルタイプ、燻煙タイプなどがあります。
- スプレータイプ: 即効性があり、換気扇内や隙間に住むコウモリに効果的です。
- ジェルタイプ: 長期間効果が持続し、再発を防ぐのに適しています。
- 燻煙タイプ: 煙で広範囲をカバーできます。
いずれの忌避剤も、コウモリが嫌がるナフタレンやハーブの香りを利用しています。ただし、超音波や磁石は効果が期待できないため、注意が必要です。プロの助言を得ながら、適切な忌避剤を選ぶことをおすすめします。
侵入経路の塞ぎ込み
忌避剤でコウモリを追い払った後は、再び侵入されないよう対策を講じる必要があります。コウモリは小さな隙間からでも侵入できるため、シーリング材やパンチングメタル、パテなどを使って徹底的に塞ぎ込む必要があります。
特に注意が必要なのは、以下のような場所です。
- 換気扇の周り
- 屋根裏の隙間
- 壁の亀裂
- 排水口
隙間を残さず完全に塞ぐことで、コウモリの再侵入を防ぐことができます。ただし、作業中に新たな隙間ができないよう細心の注意を払う必要があります。
専門業者への依頼
上記の対策を自分で行うことは可能ですが、健康被害のリスクがあり、また、十分な効果が得られない可能性もあります。そのため、コウモリ駆除には私たちのようなプロの専門業者に依頼するのが確実な方法です。
私たちは以下のようなサービスを提供しています。
- コウモリの生態や習性を熟知した上での効果的な駆除
- 法令を遵守した適切な捕獲・追い払い作業
- 糞や残留物の徹底した除去と消毒作業
- 侵入経路の完全な遮断と再発防止対策
コウモリ駆除には、コウモリの生態や法令を熟知した専門知識が不可欠です。自分で対処するよりも、安全で確実な結果を求めるならプロに任せることをおすすめします。
コウモリ駆除の適切な時期
コウモリの駆除には、最適な時期があります。不適切な時期に駆除を行うと、子コウモリが被害を受けたり、効果が得られなかったりする可能性があるためです。ここでは、コウモリの生態に合わせた適切な駆除時期について解説します。
繁殖期の避難
コウモリの繁殖期は、概ね6月から8月にかけてです。この時期にコウモリの巣を乱すと、子コウモリが被害を受ける可能性があります。そのため、繁殖期の駆除は避けるべきとされています。
子コウモリは親コウモリに育てられるまで約1か月を要するため、繁殖期の前後1か月程度の期間も駆除を避けるのが賢明です。
冬眠期の注意
一方、冬季の11月から3月頃はコウモリの冬眠期にあたります。この時期にコウモリの巣を乱すと、コウモリが冬眠から覚めてしまい、生命が危険にさらされる可能性があります。
そのため、冬眠期の駆除は避け、春先の4月から5月頃、または秋の9月から10月頃が最適な時期とされています。この時期はコウモリの活動が活発になり、駆除の効果も高くなります。
コウモリ駆除の注意点
コウモリの駆除には、いくつかの注意点があります。法令を遵守し、安全に作業を行うためにも、これらの点を理解しておく必要があります。
鳥獣保護法の遵守
コウモリは鳥獣保護法によって保護されている生物です。そのため、個人での勝手な捕獲や殺傷は違法行為に該当します。コウモリを駆除する場合は、必ず適切な方法で追い払うことが求められます。
健康被害への配慮
コウモリの糞には病原体が含まれているため、駆除作業には健康被害のリスクがあります。そのため、防塵マスクやゴーグル、手袋などの適切な防護具を着用する必要があります。
また、作業後の徹底した消毒も欠かせません。次亜塩素酸ナトリウムやアルコール消毒液などを使って、しっかりと消毒を行いましょう。
再発防止の徹底
コウモリを追い払った後は、再び侵入されないよう対策を講じることが重要です。隙間を残さず完全に塞ぎ込む必要があり、見落としがあると再発の可能性が高くなります。
自分で対応するのが難しい場合は、再発防止対策も含めてプロの専門業者に依頼するのが賢明な選択肢といえるでしょう。
まとめ
コウモリの存在は、私たちの生活環境に深刻な影響を与える可能性があります。そして合法的で確実な駆除方法について詳しく解説してきました。
コウモリの駆除には、忌避剤の使用、侵入経路の塞ぎ込み、そして適切な時期の選択が重要です。自分で対処するのが難しい場合は、専門業者に依頼するのが賢明な選択肢といえます。コウモリ問題に適切に対処することで、安心で快適な生活環境を取り戻すことができるはずです。